日本の環境首都コンテストの成果

全体の平均点は回を経るにつれ上昇しており、各自治体の環境施策が着実に向上しています

本コンテストの質問は、自治体の施策、制度の有無だけでなく、その内容と効果の重視、市民参画やパートナーシップによる施策推進等の要素の組み込み等、年々進化・深化させています。そのため点数獲得は年々と難しくなってきているにも関わらず、日本の環境首都の実現へ確実に近づいています。

総合10位までの平均点は、質問内容を大幅に刷新した第7回に若干下がりましたが、概ね上昇傾向にあります。

平均点の推移

自治体の目標となり、施策展開に大きな役割を果たし始めています

参加自治体による環境首都をめざす動きは以前からありましたが、水俣市は新に環境首都をめざすための部局横断的な組織、公募市民を入れた委員会を立ち上げて、環境首都をめざす新環境基本計画を策定しました。新城市では、新総合計画の基本戦略の一つとして「環境首都の創造」を掲げたほか、磐田市では、新環境基本計画の環境指標「各主体の協働による環境まちづくり」の指標として環境首都コンテストの順位をあげ、20位以内を掲げました。このように本コンテストが自治体のビジョンや政策決定に影響を与えていることがわかります。

見えてきた「持続可能で豊かな地域社会・エコシティーを創るための要件」

「持続可能で豊かな地域社会・エコシティーを創るためにはどのような共通する要件があるのだろうか」、これは私たち環境NGOのみならず、自治体の方にとっても非常に重要な関心事であると思います。ドイツの環境首都になった自治体への視察や情報交流、主催団体である「ドイツ環境支援協会」との意見交換、そして本コンテストやパートナーシップ事業の実施を通じて、次の七つの要件が見えてきました。

  1. 各セクターにリーダーシップがある人がいること。またそのような人を創り出して行くこと
  2. 特性を生かした素晴らしい持続可能な地域の将来像を描き共有すること
  3. パートナーシップ、参画と対話を自治体運営の基礎にすえること
  4. 環境、経済、社会(的公正)の3要素を併せた事業、活動を優先すること
  5. そのため行政組織の縦割り弊害を除去し、施策の統合化を図ること
  6. 施策や活動が戦略的に構成されるような計画(総合計画、アジェンダ21、環境基本計画等)を策定し、運用すること
  7. 地域で変化が実感できる、具体的事例、先進的事例を創り出して行くこと

この(1)?(6)に具体的かつ積極的に取り組んでいくことによって、(7)が生まれてくるようになり、その事例が増えることによって、人々に勇気と変化を肯定的に捉える確信を与え、(1)?(6)をさらにすすませる相乗的な効果をもたらすと考えられます。

独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて製作しました
地球環境基金ロゴ