ハイライト報告 環境首都創造 自治体全国フォーラム2012in生駒

投稿日時 2012-12-28 16:14:11 | カテゴリ: 事務局からのお知らせ

ハイライト報告 環境首都創造 自治体全国フォーラム2012in生駒

 11月19、20日に開催された「環境首都創造 自治体全国フォーラム2012in生駒」では、「戦略的協働ネットワークですすめる地球温暖化防止」、「住み続けられる持続可能なまちづくり」をテーマとして、市区村長と環境NGOによるディスカッションが行われました。ここでは、そこで議論された内容を紹介いたします。
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地域のエネルギー政策が描く地域の将来像

 1日目のディスカッションのサブテーマは、「地域が主体で、地域に役立つエネルギー政策の推進」です。

 最初に地球環境戦略研究機関(IGES)の西岡秀三氏から、「気候変動の現状と日本の気候政策の課題」についてのレクチャーがありました。不況や人口減少など経済・社会的な変化の中で、地域の将来像(産業、経済、暮らしの質の在り方)をどう描くかが、自治体に問われるようになってきています。また福島の原発事故が起こるまでは、日本の自治体にはエネルギーに関する政策がない状況でした。地域がエネルギー政策を議論し始めた今こそ、地域エネルギー政策でまちの将来をどう動かすか考えることが大事だと指摘がありました。

 各自治体の先進的なエネルギー政策も紹介されました。たとえば生駒市では、太陽光パネル設置の相談窓口である「太陽光いこまホットライン」の開設、市内防犯灯全灯LED化などを実施しています。長野県飯田市では、NPOの市民事業の理念を核に設立されたおひさま進歩エネルギー有限会社が市民からの投資で太陽光発電事業を行ったり、市や信用金庫と協同して「おひさま0円システム」を生み出したりと、行政・事業者・市民が共に再生可能エネルギーの活用を進めています。様々な主体の協働には、地域の人間の信頼関係づくり、合意形成の手法、資金調達や地域内投資促す仕組みなど、自治体の地域政策の総合力が試されるようになっています。また、地域の主体が地域エネルギーを利活用し、それをまちづくりに生かす動きを実現するため、行政の部署の在り方や意思決定の在り方についても議論されました。

 地域のエネルギー政策が動きはじめ、持続可能な地域づくりが、理念的なものにとどまらず実在的なものとして議論できる段階に差し掛かかっていることを実感しました。

地域からつくる低エネルギーの住まいとコミュニティ

 2日目のサブテーマは、「低エネルギー型社会を地域から実現する社会的仕組みづくり〜“住まう”を中心に」です。

 最初に、石塚住環境建築計画の石塚一郎氏より、住宅の省エネ改修についてレクチャーがありました。

現在、住宅の省エネ基準の見直しが進められていますが、地方自治体がその省エネ基準にどう関与するかが問われています。地元の工務店を大事にしつつ、気候や伝統など地域特性に応じた政策を実施すること、また、地域特性をくみ取って施工できる人材や技術力を持った人材を育成していくことが行政の課題として挙げられました。

 次に、住宅やコミュニティから視点を広げ、まち全体を低エネルギー化するための、公共交通を軸としたコンパクトな都市の実現性について、京都大学の中川大教授よりレクチャーがありました。都心に向かう公共交通を整備している富山市や、海外の事例が紹介され、コンパクトシティの方向性は見えつつあります。地方では、自治体から交通事業者に対し、ダイヤを組み替えて公共交通の利便性を高めるなど、具体的なノウハウの提供も行われています。

 最大の課題は、税金でどこまでできるか、国の支援が得られるか、という点です。国に対し、高速道路偏重の予算編成や公共交通政策を見直し、優先順位を変更するよう提起していく必要があるとの意見も挙がりました。

 住まいやコミュニティの低エネルギー化の議論から見えてきたのは、いかにして自治体がエネルギーに関する政策を遂行するための資源(人、お金)や権限を獲得するか、ということです。エネルギー政策の大枠は決まっても、詳細を詰めていく段階で個別具体的な現実の課題や障害がみえてきます。自治体はその課題を詰めたうえで提案、実施していくとともに、それを国レベルの政策に結び付けていく必要性が共有されました。今回発足した環境首都創造ネットワークこそ、今後、エネルギー政策の権限を具体的に描く旗振り役になるのではないでしょうか。

(文/高椋 草美)






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