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ドイツ環境支援の環境首都コンテストのその後

ドイツ オルデンブルグ大学卒 山口美奈子

これまでの流れ

 ネットワークの「環境首都コンテスト」の手本となったドイツの「自然・環境保護の連邦首都コンテスト」はドイツ環境支援(Deutsche Unwelthilfe)によって1989年から1998年まで9回連続で行われたものです。ここではこの9回のコンテストが終わった後のドイツ環境支援の活動に触れてみたいと思います。

まず本題に入る前にドイツ環境支援について少し紹介します。ドイツ環境支援は環境と自然保護に従事しているドイツ全国で活動を展開する団体です。環境活動をしている方や政治家、そして経済界で活躍する人たちに討論の場を提供することで、その方々にエコロジカルで、持続可能な決定、政策を考察してもらうことを団体の大きな目標としています。またプロジェクトごとに効果を共有する環境組織、交通団体、消費者団体等、あるいは学校や自治体とパートナーシップを組むことにも積極的で、広いネットワークを持っています。それだけでなく環境「支援」の名の通り毎年国内外数百の環境、自然プロジェクトの資金的な援助も行い、活動主体であると同時に他の団体の活動を活性化させる役割も担っています。ドイツ環境支援は1975年の設立以来、寄付金や環境保護のための公的補助金で活動を支えてきました。現在ボーデン湖の畔のラドルフツェルに本部を置き、その他に事務所がベルリン、ハノーファー、ケーテンにあります。そこでは50人程の事務員が有償で仕事をしています。

「環境保護、自然保護」と言っても活動範囲は多岐に渡ります。ドイツ環境支援のプロジェクトを具体的に挙げると、自然保護、ごみとリサイクル、環境教育、消費者保護、気候保護とエネルギー、都市と地域社会、環境政治、ドイツ環境支援協会(DUH)と経済、環境団体支援、交通と空気浄化の10のカテゴリーになります。「持続可能な都市」コンテストはこの中の「都市と地域社会」に含まれます。

Zukunftsfähige Kommune「持続可能な都市」コンテスト

 「持続可能な自治体」コンテスト(Zukunftsfähige Kommune)は、2001年から2004年にかけて計3回行われました。このコンテストが行われたきっかけは1992年にブラジルで行われた「環境と開発に関する国連会議」(地球サミット)までさかのぼります。地球サミットで採択された21世紀の行動プログラム「アジェンダ21」には、持続可能な21世紀を形成していくために、地方自治体と地域社会がアジェンダ21に記載された目標とプログラムを地域レベルで実行していくための枠組み「ローカルアジェンダ21」を策定し、そしてそのプロセスを地域住民との議論を通じて行うことを奨励する、と記されています。ドイツの地方自治体でもローカルアジェンダ21の策定が1996年以降急速に広がり、その個々の成果を形にすることを目的にこのコンテストのコンセプトが練られました。参加自治体は共通の指標を使って他の自治体と比較することで、自分たちの政策の成果具合を認識することができ、また(連続参加をすれば)自分たちの発展の軌跡を辿ることもできました。もうひとつこのコンテストで重要だった点は、1992年以来様々な分野で言われ続けている「持続可能性」という語意を参加自治体とそのこの住民の方々にできるだけ具体的にわかりやすく可視化するということにありました。「持続可能な」という形容詞がインフラ状態にある、とまで言われていたドイツでは、残念ながらこの言葉の意味を根本的に理解することなく、組織のイメージアップのためだけに使われている場面を目にすることも何度かありました。そこでプロジェクトパートナー達が何度も議論を重ねて作り上げた指標を見ることで、「持続可能とは実社会でこういうことを意味する」という方向性、包括的なイメージを持ってもらうことがある程度はできたはずです。

このプロジェクトを運営していたのはドイツ環境援助(DUH)とそのプロジェクトパートナーのアジェンダ・トランスファー(Agenda-Transfer)、エコログ・インスティテュート(ECOLOG-Institut)、そしてGP研究グループ(GP-Forschungsgruppe) です。財政面ではドイツ連邦環境財団 (Deutsche Bundesstiftung Umwelt) からの援助を受けました。

他の自治体との比較をさらに意義あるものにするために、コンテスト参加自治体は人口の数で3−4つに区分され 、毎年結果はこの人口カテゴリー別に出されました。

 たとえば2003年から2004年にかけて行われた3回目のコンテストでは、(1)人口5000人まで、(2)5001人から15000人まで、(3)15001人から100000人まで、(4)それ以上、の4つに区分されました。2001年から2002年にかけての初回では(1)10000人まで、(2)10001人から80000人まで、(3)80000人以上の3つでした。

 さてこのコンテストで持続可能な政策を計る「ものさし」と呼ばれる指標はかなり具体的な項目です。持続可能な発展を計るための指標は、世界レベル、国家レベル、自治体レベルによっても重要となってくるポイント、計測できる値は当然変わってきます。次にこのコンテストのために考察された、自治体を対象とした指標について紹介します。

指標

 ドイツ環境支援がプロジェクトパートナーと共に作成した、地方自治体の持続可能性の度合いを測る指標は大きく以下の四つに区分されています。

1 健やかな生活のためのまちづくり
2 社会的公正
3 環境保護と効率的な資源の使用
4 経済効果

 この4つの分類の下にはそれぞれ8〜12項目の具体的な指標が設定されていて、参加自治体はそれら合計41項目に回答します。どうしても情報が得られない場合には、空欄で提出してもいいとのことでした。またこの41項目とは別に、ローカルアジェンダ21の質や進行具合を確認する5つ目の区分も設定されました。

 ここではこの41項目をキーワードで紹介します。

1.健やかな生活のためのまちづくり

  • 自転車道
  • 体重過多な子どもの数
  • 人口の推移
  • 自家用車の台数 / 人口
  • 保養、レクリエーションのための土地
  • 子どもの交通事故数
  • 犯罪率
  • 騒音
  • バス、電車の接続
  • 協会、クラブ活動
  • 文化的生活
  • 住宅地近辺の暮らし向き

2.社会的公正

  • 小さな子どものあずかり施設
  • 男女の平等
  • 移民者の教育参加へのチャンス
  • 障害者の社会参加
  • 障害者の社会参加
  • 生活保護などの受取人数
  • 自治体からの青少年の活動場の提供
  • 支払い可能な住宅数
  • 自治体の第3世界事業への参加
  • 子ども、青少年のための施設

3.環境保護と効率的な資源の使用

  • 住宅地の木の本数
  • 自然エネルギーの生産
  • ごみ処理   
  • 保護されている自然景観
  • 土地利用の仕方
  • 下水道の質
  • 節約した土地利用の仕方
  • 飲料水の消費量
  • 省エネの配備
  • 交通手段の選択肢
  • Mehlschwalbe のやってくる数

4.経済効果

  • 失業率
  • 環境に配慮している事業者の数
  • 職業訓練の受け入れ
  • 自治体の負債額
  • 環境に配慮した農業
  • 求人数
  • バランスのとれた経済構造
  • 独立企業の数
  • 商業面積に対する労働者数

各都市の参加自治体数

 コンテスト参加自治体数を相対的に評価するために、まずドイツ全体の統計を確認しておきたいと思います。プロジェクトパートナーでもあるアジェンダ・トランスファー(Agenda-Transfer)の2004年7月の統計によると、ローカルアジェンダ21を正式に自治体の中でスタートさせていたのは、ドイツの全12,788自治体のうち、2,470。それはおよそドイツ全自治体の19%にあたります3。そしてこの政治的に正式な効力を持つローカルアジェンダ21の開始宣言こそがコンテストの参加条件だったと聞きます。コンテストへの参加自治体は第1回目が91、2回目は76、3回目は63自治体でした。これを多いと見るか、少ないと見るかの判断は非常に難しいところです。というのは、このアジェンダ・トランスファーの統計は、単純にローカルアジェンダ21を行うと市議会で決定された自治体の数を示しています。つまりローカルアジェンダ21を行う組織の質の部分、形態、予算、参加者数、経過については全く触れられていないからです。

また言うまでもなく41の質問の回答を自治体内で収集するのは非常に手間のかかる作業でした。十分な人材と財政源の確保が難しいこの分野で、賞金を得られないコンテストへの参加が容易ではないことはご理解いただけると思います。ただこのコンテストが、住民の意識の向上や、自治体のイメージアップにつながったこと、ローカルアジェンダ21の活動に参加していた住民のモチベーションの向上につながったことは言うまでもありません。

各年の金賞自治体

 参考までにこの3回のコンテストで上位に名前を挙げた自治体をそれぞれの年ごとに紹介します。

2001/2002年

賞/人口(人) 〜10,000 10,001〜80,000 80,000〜
Weissach im Tal Ettlingen Rostock
      Saarbrücken
Drachselsried Wernigerode Cottbus
Immenstaad Bamberg Göttingen
  Kremmen Brackenheim Hannover
  Mehrstetten Bretten Heilbronn
  Pleidelsheim Freiburg (Sachsen) Leipzig
  Pinnow Ravensburg Oldenburg (Oldb)
  Steinbach-Hallenberg Unna Tübingen
    Unterhaching  
    Viernheim  
参加自治体数(計91) 19 52 20

2002/2003年

賞/人口(人) 〜5,000 〜15,000 〜100,000 100,000〜
1位 Eichstetten Wettenberg Bamberg Augsburg
2位 Dobbertin Usingen Riedstadt Erfurt
参加自治体数(計76) 8 26 33 9

2003/2004年

賞/人口(人) 〜5,000 〜15,000 〜100,000 100,000〜
1位 Münkebunde Weissach Riedstadt Freiburg(BW)
2位   Usingen Bamberg Augsburg
3位   Birkenau Goslar Dresden
        Gera
参加自治体数(計63) 10 16 26 11

コンテストその後

 ローカルアジェンダ21を策定し、このコンテストに参加した自治体は他の自治体と比較することで自分達が既にある程度の成果を出している政策、あるいは今後さらに力を入れるべき分野を大まかではありますが把握することができたと思います。ただコンテスト終了後に課題も残りました。全参加自治体の自由参加形式で行われた表彰式終了後、人口別の成績、先進事例等は主催者のウェブサイト上で公開されたり、ビデオにまとめられたりしました。けれども個々の課題や問題点の提示といった参加自治体への個別のフォローは特に行われず、各自治体のローカルアジェンダ21の担当者に任されることとなりました。参加自治体の全体像が見えづらく、日々の別の業務も行わなければならないローカルアジェンダ21の担当者の中には、今後このコンテスト結果をどう活用していいのかが明確にならず困っている方もいたようです。

参加したある自治体の担当者(ローカルアジェンダ21の実行課)のひとりは、「金賞」などのいい成績を出さないと、町のイメージアップにつながらないために逆に議会での結果報告を渋られた、というようなことを言っていました。この意見は決してこの自治体だけではないと思われます。「悪い」評価を聞きたくないのは誰しも同じですが、数年後にコンテストの評価が長期的視点で見れば長い道のりのスタート地点だということが理解されることが大切でしょう。ここでの成果が外に向けたPRや「タテマエ」だけではなく、自分の自治体の成果発表であると前向きな自己評価と捉える視点を持ち、コンテストの結果を有効に活用していく必要性を感じました。

ドイツ環境支援では2004年にこのプロジェクトが終了して以来、「省エネ都市コンテスト」(2005)、「気候保護首都コンテスト」(2006)、「自然保護首都コンテスト」(2007)、などとテーマの幅を絞って自治体対象のコンテストが開催されています。

最後に全国ネットワークの行う日本の環境首都コンテストとの違いを、私の個人的な視点で述べてみたいと思います。一番根本的な違いはドイツが持続可能な社会を構築するための条件の統計値を質問しているのに対し、日本のコンテストのでは自治体の取っている政策とその効果、住民参加の有無を中心に質問しています。補助金制度、協働体制、環境マネジメントシステムなどの自治体の定める制度があり、それを市民が一緒に作成したり活用したりする。それが持続可能な社会を創造していくための自治体からの働きかけであることは間違いありません。そしてそこに全国ネットワークは注目しました。

 それに対しドイツ環境支援などが作成した指標は、自治体をひとつの生活共同体と捉え、その組織が持続可能であるべき要素をどの程度の割合で持っているのかを質問しています。例えば犯罪率を減らすために、あるいは求人率をあげるために自治体としてどのような政策を取るか、もしくはそもそも対策を採るかどうかは全く問われておらず、純粋にその結果だけがコンテストの場で比較され、順位を与えられます。

 この違いは決してどちらの方がより正確に持続可能性の成果を評価できるか、あるいはコンテスト後により活用できるかといったものではなく、異なった着目点から共通のゴールを目指して行われた「持続可能な自治体コンテスト」だと言えるでしょう。今後もコンテストに参加する何かしらのメリットを広め、少しでも多くの自治体がこの課題の重要性に気付いてくれればと願っています。

(参照)

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